2013.07.13
福島復興のシンボル事業である「浮体式洋上ウインドファーム実証研究」について、地元の住民に理解を深めていただくために、丸紅株式会社(プロジェクトインテグレータ)、東京大学(テクニカルアドバイザー)及び民間企業9社からなる福島洋上風力コンソーシアムは、7月13日(土)にいわき市小名浜の観光物産センターいわき・ら・ら・ミュウ2階に「福島洋上風力交流センター」をオープンしました。
展示会場には洋上風車の模型や研究内容を解説したパネルを展示し、実際の発電の様子を映像で紹介しています。実用化に向けた技術課題のほか、海に浮いた風車に魚が集まると、漁礁になる可能性があることなど、洋上風力発電の理解を深めるためのパネルの展示も設けています。また子供たちにも理解できるように、海に浮かべる風車3基並びに発電した電気が洋上の変電所を経由して地上に送られる仕組みを、LEDを付けた全体模型で分かりやすく示しています。
当日、地元から多くの方が見学に訪れ、「実験が成功してどんどん風車を増やしてほしい。原発に代わるエネルギーになることを期待しています」と話していました。本実証研究のテクニカルアドバイザーを務める工学系研究科社会基盤学専攻の石原孟教授は「将来実用化していくうえでは、地元の理解が無いと進みません。プロジェクトの意味やどのようなメリットあるいはデメリットがあるのかをぜひ理解していただきたい」と交流センター開設の目的を説明しました。
同じ日に小名浜港で本実証研究の安全祈願式と開始式が開かれ、佐藤雄平福島県知事、渡辺敬夫いわき市長、松本幸英楢葉町長、福島県漁連、経済産業省、福島洋上風力コンソーシアムなどの関係者約220人が出席しました。佐藤雄平知事は「部品点数が2万点に及ぶ洋上風力産業を地域活性化と雇用につなげ、輝く未来を照らす道しるべにしたい」と挨拶しました。
本実証研究は今年10月から楢葉町の沖合で本格的に始まります。この展示は実証研究が続けられる2015年度末まで行われます。